今の世界はすごく動きが早く、中国にしてもフィリピンに
しても私たちが持っているイメージとは全然違う世界が広がっています。
私はフィリピンで仕事をしているので、フィリピンの変化の
速さは肌で感じております。
まず、10年少し前にMarianeの結婚式に呼ばれていった時に、
高層ビルの立ち並ぶマカティ、そして整然とした街並みに
高級なコンドミニアム、オフィスビルが立ち並ぶBGCをみて、
それまでフィリピンに持っていたイメージと全く違う世界に
ショックを受けたのが、フィリピンでTESZARAビジネスを
スタートするきっかけでした。
それでちょくちょくフィリピンに行くようになり
次にびっくりしたのが、マカティでプラスチックの
レジ袋が禁止になったことでした。
今でこそ日本もレジ袋が有料化されエコバックを
持ち歩くようになってきていますが、
フィリピンではもう2013年から禁止になっていて、
しばらくすると、スターバックスなどでプラスチックの
ストローがなくなったのも日本よりもはるかに早かったのです。
そして次に驚いたのがGrabの普及でした。
フィリピンに行き始めたころは、やはり流しのタクシーに
乗るのが心配の一つでした。
料金を余計に請求されたり、回り道をされたり、
いわゆる新興国で困る事の一つでした。
ところが、何年か前からはGrabが普及して、
本当に便利になりました。
Grabは東南アジアで使われている配車アプリで
アメリカなどのUberなどのようなものです。
なぜGrabがいいのか?
GrabはスマホでGrabのアプリを立ち上げ、
今どこにいてどこに行きたいのかを入れると、
すぐに料金が表示され、オーダーを出すと
近くにいるGrabの運転手が、行きますと反応。
すぐにドライバーの名前、電話番号、
車の色とナンバー、今どこを走っているのかが
表示されます。
そして利用者の評価の蓄積も☆の数で
表示されるので優良ドライバーかどうかも
すぐにわかります。
乗る前に料金が決まっているので、
ぼったくられる心配はないし、
大回りしてもドライバーにメリットはありません。
しかもドライバーの個人情報が送られてきているので、
問題があったらすぐにばれてしまいます。
だからドライバーも変なことはできません。
また、呼ぶときにタクシーからコンパクトカー、
大型車、ラグジュアリーカーなど車種も選んで
呼べるのでその時の用途に応じて選べます。
しかも乗る前に行き先がドライバーに
伝わっているので、言葉に自信が無くても
しっかり連れて行ってもらえます。
これは今でも日本よりも便利だと感じます。
そして今週また一つびっくりすることがありました。
それは、Carolがクライアントに小額の支払いの依頼を
する時にじゃあ「GCash」でお願いしますと言っていたのです。
えっ!? 「GCash」ってなに?
コロナになってフィリピンに行かないうちに
どうも新しい仕組みができたようで、
早速調べてみました。
わかったのは、GCashとはスマホでできる
キャッシュレス決済でした。
新型コロナウィルス対策で、現金の受け渡しを廃止し、
キャッシュレス決済のみに切り替える企業も出てきていて、
最近では様々なモールやスーパー、タクシーやレストランなど
でもGCashで支払えるようになっているようです。
GCashは、フィリピンのアヤラ財閥の大手携帯キャリアである
Globeが提供しているサービスで、キャッシュレス決済だけ
でなく、銀行間の振込や携帯電話のロード、オンライン
ショッピングなど様々なものに対応していて、
GCashだと50,000ペソまでは資金移動も無料とか
めっちゃ便利ではないですか。
携帯電話と言えば、フィリピンではSIMカードは空港や
コンビニでも売っているので、フィリピンに出張に行くと、
空港でSIMカードを買って入れ替え、現地の携帯として
使えるのもとても便利なところです。
なんか日本よりも便利ではないですか?
そして、変化が激しいのは中国も一緒です。
中国というと、香港の弾圧や台湾へのプレッシャーなど
人民に対し高圧的で人権など全く考えない国のように
思えますが、
今週、音声メディアのHimalayaで
「5分でわかる深層チャイナ・イノベーション」を聴いて
いて、あれ? と思う事を伝えていました。
今、日本でもウーバーイーツをよく見かけるようになり、
同時にウーバーイーツ配達員の事故や待遇の悪さなど、
事故を起こしてもケガに対する保証がない、けがして
働けなくなっても収入に対する保証もないなど
社会問題化しています。
この9月から労災加入できるようになりましたが、
年間5万円近くなるとみられている労災保険料は
ウーバーイーツではなく自己負担というのが
日本の現状です。
●「ウーバー」配達員、9月から自己負担で労災加入可能に
そして中国。実は中国は日本と比べ物にならないくらい
デリバリー大国で、約6割のシェアを占めるのが
美団(メイトゥアン)のデリバリー配達員の黄色い
ユニホームが街にあふれているそうです。
●新型コロナ対策の“無人配送”も注目
フードデリバリーで中国トップ「美団点評」の実力とは?
「5分でわかる深層チャイナ・イノベーション」の
ホストのインイン(瑩影)さんは今日本に住んでいて
日本のウーバーイーツもよく利用するという事で、
美団とウーバーイーツを比較していました。
1.「オーダーした後、デリバリー会社側から
キャンセルされることは絶対にない」
2.「オーダーして20分もしてから配達員の手配が
できないのでと言ってキャンセルされることがある」
3.「30分以内でデリバリーすると言っているが、
オーダーした後、29分で届けられる、28分で届けられる
とどんどん短くなってくる」
4.「30分以内でデリバリーすると言っているが、
オーダーした後、やっぱり40分かかる、50分になる
とどんどん長く変更されることがある」
この1~4はどれが日本でどれが中国だと思いますか?
正解は、1と3が美団、2と4がウーバーイーツだそうです。
美団ではデリバリーを天候、時間帯、交通状況、
レストランのオペレーション状況などを組み込んだ
アルゴリズムで管理していて、配達時間なども
的確に配達員に効率的な指示を次々と
出しているとのこと。
そして中国でも配達員の事故や待遇なども問題になった
そうですが、中国政府がフードデリバリープラット
フォームに対する明確なガイダンスをだし、その目的は
配達員の権益を保護しましょうというものだそうです。
配達員でも雇用しましょう、社会保険に加入させましょう
収入も安定的に確保しなさい、安全を確保しなさい
と明確に指示をだしたということで、日本の現状よりも
はるかに労働者寄りの政策を行っているということで
驚きました。
また、中国で驚くのは次々と新しく革新的なSNSが出てきて
人気になることです。
これも、「5分でわかる深層チャイナ・イノベーション」で
聞いたのですが、中国で流行ってきているマッチングアプリ
微光(ウィーライトビー)が面白いとのこと。
マッチングアプリといえば日本でもアメリカ発の
Tinderなどが人気ですが、微光の特徴は遠隔で一緒にビデオを
見ながら、会話したりチャットしたりできるアプリとのこと。
これを使えば遠距離恋愛でも、ビデオを二人で一緒に
リビングルームに座ってみているような環境が作れるとのこと。
すごいSNSですよね。
中国語バージョンしかないようですが、App Storeでダウンロード
できるみたいです。
さて、その中国、以前も日本と比べ圧倒的にスピードが速いと
お伝えしましたが、今回その影響を受けることになってしまいました。
DCECで始めたPodcastの「Jeni No Pika Pika Nihongo」
を発行しているプラットフォームのHimalayaが、
突如、日本での音声配信サービスを9月末で終了する
と発表したのです。
中国では6億もダウンロードされ、多くの中国人に利用
されているHimalayaも日本ではあまり伸びないと
判断されたのでしょう。
したがって、「Jeni No Pika Pika Nihongo」は、
残念ながらHimalayaからの配信は9月末までで終了
しますが、引き続きApple Podcast, Spotify,
StandFmからは配信していきますのでご安心ください。
Apple Podcast
Spotify
Stand .fm
さて、このように動きの速い世界ですが、アフリカも
日本人がお持っている以上に急激に変化しています。
キャッシュレス決裁もアフリカでも普及している
ということで、アフリカがどのように変化しているのか、
今月のDCECグローバル化セミナーで
学んでみてください。
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