前回はフランスでのマナーについて紹介させていただきました。
今回は、フランスに関連してフランス語を公用語とするカナダの
ケベック州について、私がケベック出身の留学生との会話から
学んだことを共有させていただきます。
みなさん、カナダにフランス語圏があることはぼんやりと知って
いらっしゃると思います。しかし、それがケベックだとすぐに
答えられる方は少ないのではないでしょうか。私も、交換留学先を
検討する中でケベックがフランス語圏だと知りました。
私は、大学でフランス語を第二外国語として学んでいるので、
英語だけでなくフランス語も少しは話せるようになりたいと思い、
ケベックのモントリオールにある大学に8月後半から留学に
行くことに決めました。
さて、なぜケベックがフランス語圏かというと、カナダの歴史が
関係しています。カナダも北米の一部なので、開拓を目指した
ヨーロッパ人たちが次々と上陸し、占領していきました。一時は
領土の多くをフランスが占領していましたが、本土での力が
弱まっていくのと同時に北米でも力を失っていきました。反対に、
力を伸ばしていたイギリスがカナダの領土を増やしました。
そして、カナダにいたフランス人がもともとフランス人の人口が
多かったケベックに集まり、ケベックだけはフランス語が公用語
なのだと教えてくれました。
しかし、カナダの大部分の公用語が英語なので、ケベックの
フランス語の文化が少しずつ英語に浸食されていることも事実だ
そうです。そのため、ケベックでは、全面的なフランス語保護
政策を打ち出しました。しかし、この政策に反対する市民も多く、
今後公式的な発表は全てフランス語でされるとかされないとか。
私も、ケベック州のビザを申請する際に、サイトがフランス語しか
なかったので、とても苦労しました。ケベックには「bonjour, hai」
という文化があり、その人がどちらの言語を得意としているか
わからないので、どちらの言葉でも挨拶するという習慣だ
そうです。私の知り合いのケベックからの留学生も英語もとても
堪能で私とは英語でコミュニケーションをとってくれますが、
カナダではほとんどフランス語で話すのだそうです。なんと、
国歌もケベックではフランス語で歌われるなど、フランス語文化を
守るために、さまざまな努力をしていると分かりました。
日本でも、北海道のアイヌ語や沖縄のうちなーぐちなど、特有の
言語があり最近は後継者が少なく消えつつあるとも聞きます。
フランス語はそれだけで成り立っている国がいくつもあるので
規模が違いますが、言語を守ることは文化をも守ることなのだと
痛感させられました。マイノリティーの中でフランス語圏としての
アイデンティティが消えることのないように努力している姿
からは、必死さが伝わってきますね。
ここまで、ケベック州について紹介してきましたが、
いかがでしたか?楽しく読んでくださったら嬉しいです!
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