お久しぶりです。
さて、今回は前回に引き続きオランダの学生寮事情について
綴らせていただきます。
前回の編集後記ではオランダで学生生活をするにおける3種類の主な
滞在方法(学生寮、アパート、シェアハウス)について紹介しましたが、
今回は私が1年間住むこととなった学生寮について
詳しくお話しさせていただこうと思います。
まず学生寮は他の2つの方法に比べて入居手続きが非常にスムーズです。
大学のサイトから提携している学生寮を選び、部屋の大きさ、
共有する範囲、立地、家賃等を基準に住みたい部屋に申し込みをするだけ
です。デポジットとして500ユーロほど取られることがほとんどですが、
特に問題がなければ退去時に返却されます。
部屋の大きさの様々で10平米から広い部屋では40平米ほどの部屋も
珍しくありません。
またオランダの物件の面白い特徴としてどんなに小さなベッドルームにも
必ずと言っていいほどシンクが付いています。
私の寮の21平米ほどの部屋にはなぜか2つもシンクが付いていました。
しかしこれに関しては、どの国でも真似をした方がいいのでは無いかと
思うほど便利でした。オランダの水道水は飲水可能なのでキッチンに
行かずともちょっとしたことは自分の部屋の中で済んでしまいます。
さて、私が1年間生活した寮は学生寮の棟が集まり、テニスコートや
バスケットボールコートなども備えついている大きな敷地にある寮でした。
スーパーマーケットや学校は徒歩10分圏内、シティーセンターまでは
徒歩20分程度で着いてしまう非常に立地に恵まれた寮でした。
部屋自体は21平米の部屋にシンク2つ、ベット、ソファー、机、棚と
小さなクローゼットのような収納まで付いていました。トイレ、シャワー、
キッチンは同じフロアの他の34部屋に住む学生と共同、
またコモンエリアとしてテレビとソファが並ぶスペースもありました。
これだけ聞くと非常に優雅な生活ができていたのではと
想像されるかもしれません。しかし、やはり様々な国から35人が集まって
同じ屋根の下に住むとなるとちょっとした不満やトラブルは付きものです。
例えば、キッチンを使っても片付けない人がいたり、部屋の中で喫煙をして
火災報知器がフロア中に鳴り響いたり、作ったご飯を3日間ほどキッチンに
放置する人がいたり、冷蔵庫から勝手に食べ物が消えていったり、
平日にパーティーを始める人がいたり、廊下に訳のわからないものが
散らかっていたり、廊下でサッカーを始める人がいたりと
日本では絶対に起こり得ない事が起こり、もはや私の場合は
おもしろおかしくなってしまいました。
しかしこんなおかしな事、イライラする事があっても、
思い返すとやはり寮を選んで良かったと思います。
なぜなら週末一緒にヨーロッパ内を旅行したり、自分の出身国の料理を
作り合うインターナショナルディナーを定期的に開催したり、
夕日を見にピクニックに行ったり、毎晩のようにカードゲームをしたり、
一緒に映画を見たりする仲間になれたからです。
そして何より、目的を持って日々頑張っている同年代の学生の
人間らしい姿を見ながらお互いに助け合って学び合えたような
気がしたからです。
寮生活が自分に合うかどうかは人それぞれですが、多くの人と知り合えたり、
ある意味で多くの人を見る事ができるのも寮生活です。
こんな人がいるんだなと思ったり、自分はこういう人と釣り合うんだなと
感じたり、思いがけないところで人の優しさに触れたり、
新しい発見がたくさんあります。
留学を考えている方が周りにいるようでしたら是非寮生活も検討して
みるのも一つの手かもしれません。
かなり長くなってしまいましたが、また次回の編集後記で
お会いできればと思います。お楽しみください。
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