先週、日本企業は日本語ができない外国人を採用しようとしないということを書きましたが、それがすでに日本に深刻な事態を引き起こしているようです。 高度人材が日本では働きたがらない根本理由 東洋経済ONLINE http://toyokeizai.net/articles/-/203674 この記事によると、 「日本はすでにIT人材不足に陥っている。しかも、状況は悪くなる一方だ。 経済産業省が2016年に公表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によれば、日本のIT人材不足は2015年時点で17万人に達し、2020年までに30万人、2030年までに60万人近くまで拡大する見通しだ。2030年までに市場規模が144万人に達するのに対し41%もの不足が生じる。」 とのこと。 そして外国人留学生の側から見ても、日本に留学してきてがっかりという現実がある。 東大留学生ガッカリ、「日本での就職」の現実日本企業で働きたいのに働けないのはなぜか
東洋経済ONLINE http://toyokeizai.net/articles/-/126809 もう国も企業も「外国人は日本に働きにきたがっているのだから、日本語をしっかり勉強して使いこなせる者だけ採用してやる」というような認識を今すぐ改める必要があります。 しかし現実的には、企業の人事責任者は圧倒的多数が英語を話さず、また、企業トップと話をしても自分はいいよという人が圧倒的に多いのです。 また、金融機関の人はグローバル化の意識が非常に薄いのでびっくりします。 先日、ある銀行の方とお話をしていて、「日本企業もグローバル化をしないといけませんね」というと「いや、日本はなんだかんだ言って蓄積がありますからまだまだ大丈夫ですよ」との返答が返ってきてびっくりしました。 ただ、もちろん金融機関の中でもグローバル化意識が高いところもあり、ある金融機関は、グローバル化が必要と3年ほど前に海外事業本部長に就任された役員さんがフィリピンのTESZARAで2ヶ月英会話研修を受講されてから、毎年何人か幹部クラスの人材を送り込んでいただいています。 この方達、フィリピンに行く前は大学以来英語なんてやっていないという部長さんクラスの人たちで、最初のレベルチェックでは、汗をかきかき、あー疲れたと30分のレベルチェックを受講してからフィリピンに向かわれます。 だいたい2~3ヶ月TESZARAで学習され、帰国後は、ベトナム、インドネシアなどの責任者として赴任していかれます。 流石にその企業は、ここ数年で海外拠点を急激に拡大され、今後さらにグローバル化して海外売り上げが日本よりも増える時代も予感させられる企業ですが、あくまでもこれは例外と言えるのが残念なところです。 さて、日本にIT人材が不足してきているという東洋経済の記事を実感することが今週起こりました。 DCECは広告にGoogleを活用しているのですが、今回Googleから電話があり、Googleの効果的な活用方法をお教えしますと、コンサルティングをしてくれました。 最初は日本人女性がいろいろアドバイスをしてくれていたのですが、技術的な話になった時、 「私ではわからないので技術チームから連絡させます」とのことで技術チームの連絡を待っていたら、アメリカ人女性がアメリカから電話をしてきてくれました。 ご安心ください。日本語を話していました。(笑) かなり日本語が上手な女性で、通常のことは問題なかったのですが、マニュアル通りではないイレギュラーのことを説明しようとするとやはり日本語では難しいようでした。 ここで英語で話すと、複雑なことで今度はこちらがついていけなくなるとまずいので日本語で通しましたが・・。(笑) じゃあ、スカイプで画面を写すからそれを見ながら指示してもらえますか? と聞いたら、Googleのポリシーでスカイプは使ってはいけないことになっているようでした。 そこで、また来週連絡してくるとのことになったのですが、わざわざアメリカから日本語ができるアメリカ人に説明させないといけない状況がGoogleで発生しているということがわかりました。 ガラパゴス化に一歩踏み入れているかもしれません。